団地の価値



掃除しながら、手を動かしながら、雑談をする。20代女性。家は築浅のキレイでおしゃれなマンション。でも最近彼氏を別れたらしい。理由を聞いた。「逆なんだと思います?」と質問をすると質問で返してくる人だ。理由は価値観の違い。その彼は団地に住んでいる。団地が好きらしい。でも彼の家は古くて、汚い。全然掃除、片付けをしない。彼が彼女の家に行った時、彼は「高級なマンションより、安くて広い団地の方がいいよ」と自慢げに言う。変にプライドが高い。ちょっとした価値観のズレが少しずつ広がっていき、挙句の果てには壁に穴ができるほどの喧嘩に発展。もう一緒にいることができなった。同時に団地に住んでいる人を信用できなくなった。「青井さんもわかりますよね?やっぱり団地に住んでる時点で、付き合わなければよかったんですよね」ぼくは心で叫んだ。「ぼくも団地育ちーーー」



お金持ちには貧しい人の気持ちはわからない。いじめた人はいじめられた人の気持ちはわからない。経験しないとわからない。団地は古くて、汚いかもしれない。壁も薄くて音も漏れる。でも楽しかった。下の広場ではいつも誰かがいて、サッカーやドッチボール、鬼ごっこして暗くなるまで遊んだ。年下年上関係なくみんなで遊んだ団地。いろんな価値観があるよね。



おしまい。
今日も見ていただき、ありがとうございました。

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